偶然を作ろうとしても、無理だ。





自分でも珍しい事をしてるという自覚はある。
初めてと言ってもいいだろう。



…まずい。


恥ずかしくなってきやがった。



何なんだこの乙女思考は。
どう見てもオレのキャラじゃねえだろ。



こんな。




あいつが通るかもしれない廊下に立ち止まったり


歩くスピードを落としたり。



あーくそ、早く煙草が吸いてえ。

けど、会った時煙いとか言われ…。





………くそ…。



どんなだよ。
あの平凡な顔が頭から離れない。



百歩譲って呆れるほどの人のよさと適応力と順応力の高さは認めてやる。

けど成績は悪いし(ちゃんと調査済みだ)愛想はないし…。




何より男じゃねえか。




…なんで、お前なんだろうな。




どう思ったところで、会いたいと思ってる。





…今日は会えなかったか。


仕方ない。適当に理由つけて生徒会室に呼ぶか。
古泉にバレると面倒だが、たまにはいいだろう。




俺はあいつほど会えないんだからな。
職権乱用もたまには悪くないだろ。




偶然なんて待ってられないほどには
追い詰められてるようだから。




end


キャラ変ってますが、ぐるぐる片想いの会長です。
自分ではかなり気に入ってたので、のちに続編ができました;;


戻る